FACE 空#01 / FACE 空#02
NAKAZURI GALLERY
私のFACEシリーズはこのぼんやりと感じ取った顔を記録として描き出すことから始まりました。そして出来上がったそれらの絵を見た時、それが自分の顔のように感じられました。私が見えていた顔も、そして描き出された顔も「私」とは違う他者のような風貌なのにです。 出会ったその場では私とは感じられない、言葉も通じない他者のように思えるFACEが、描き出してみると「私」であったのかもしれないという実感がある。描き出す過程で「私から外れている者」として出会った顔が「私」に統合されていく感覚。その過程に私とは一体どこにいるのか、自我の存在する位置に不安定さを感じました。そもそも「私」が物に触発され見せているFACEをなぜ「私」と感じず、「私から外れている者」として感じてしまうのか。 物に見つめられる感覚、物や空間から気配を感じ取ること、そしてそれらに触発され私が私に見せられている顔。 それは一体何故なのか。物と私に宿る魂のありかについて私は考えます。